UDONのエキストラに行ってきた
と言う訳で。エキストラにいってきたよ
。
先に言うけど、めっさ長文なので覚悟してください。
時間に沿って話をしよう。
4月4日 映画撮影スタッフの助監督氏からエキストラ登録者へロケ概要のメールが届く。4月7日に午前8:00から8:30厳守で現地集合とのこと。途中参加とかは人的資源の制約上、受け付けられない。
4月6日午前 当日の集合場所がメールで届く。
同日昼 当日の粗いスケジュールがメールで届く。
僕がそのメールを読んだのが4月7日午前2時。現地まで超スーパー頑張っても1時間かかる。たっぷり寝ないと死ぬ僕としては厳しいルールだ。そして今朝。自分にしては偉業に近い早起き。やる時はやる子です!けども数日前、風呂に入ったまま2時間意識喪失(専門的に言えば睡眠)した結果、鼻水の栓が壊れてます。体調最悪。
エキストラ募集時の内容を思い出す。「撮影は作品中で9月の季節なので、それなりの格好でお願いします」というわけで、上着も持たず、春秋兼用のシャツだけ羽織って出発。朝食も摂らずに家を飛び出した。高速道路入った直後にガソリン残量計のランプが点いたけど、この辺は割愛。
10分遅れで現地到着。…素人相手だろうかしら、僕みたいな粗忽者は沢山いたようで安心。ボディ・荷物チェック、身元確認とか一切なしで参加登録へ。なんか「あなたはチーム4です」と書かれた紙切れ1枚を貰う。あ、注意事項とかも書いてる。…要するに、この紙を撮影終了時にスタッフに渡すことで参加記念品をいただける、と。途中でばっくれた場合はナシよ、と。いやまて、それはつまり、ばっくれたくなるよーな何かがあるんですか?
エキストラ管理はKFCとプリントされたスタッフジャンパー着てる人がやってたので、ああ、これがフィルムコミッションの仕事なんだぁ、と思いました。あ、ちなみに現地ってのは、ここらへん
。ロケ会場まで歩いてスグなのに、ワザワザバスを出してくれるという。本広監督×亀山プロデューサの映画って、えらい金かけるのなぁ。で、バスに乗れるまで待機。
う~ん、朝日がバカデカイ橋脚に遮られてて超寒い。皆寒い寒い言ってる。たまに橋脚を通過する電車の轟音が心底きつい。30分くらい待ちぼうけてバス到着。そのまま3分くらいで会場へ。会場周辺は警備員+地元公安の方々が厳重にガード。闖入者対策なのか気合い入ってますね。そしてまたもや4月上旬の潮風が吹き抜ける日陰で小1時間待機。や、海がスグソコなので。上着が無いからなのか、メッチャ寒い。だからお手洗いが大変な賑わい。男子トイレはそうでもないけど、女子トイレの行列がもう大変なことに…
エキストラの層を見てみると、子連れママ、大学生、隠居してるよなじっちゃんばっちゃんが目立つ。逆に義務教育受けてる世代が丸ごと抜けてる。もう始業しちゃってるから仕方ない。あとはどうみてもリーマンな人が平日なのに多い。地元商工会議所とかの差し金で有給とらされて来てるんちゃうかな…
そんな感じで人々を眺めながら日陰でガタガタ震えていると、ビニールテープを沢山ぶら下げたスタッフの方が拡声器で「お待たせしました。こちらへどうぞ」と案内開始。海がよく見えるひなたへ移動。お、なんかロケバスが一杯だ。多摩ナンバー、品川ナンバー多いなぁ。
この公園には半野外のステージがあり、そこで撮影を行うようだ。もうセットは出来上がっており、総勢1000人に及ぶエキストラ行列のずーっと向こうでは、照明つけて何か撮影してるみたい。僕の並んでる前には幼児が何人もいたんだけど、そのうちの1人が列からはみ出て空の側溝へヨチヨチ歩き出した…危ない?と思った瞬間、どこからともなくスタッフさんが電光石火の勢いでやってきてその子供をキャッチ。撮影にアヤがつかないようにメッチャ気ぃ使ってるんやなーと感心しました。
行列が動き出した。ついにステージへ行くみたいだ。ほほー、これがどこかのシーンで使われるのか!
…とはいえ、公開どころか、クランクアップ前の映画のネタバレは如何なモノかと思うので、ちょっと粗めに詳細ボカして書きます。あと写真が無いのは撮影禁止だったからです。撮ってないことはないけど、映画会社相手にケンカ売る気は微塵もないので今回は僕の文章でお楽しみください。
会場に入ると受け付けに貰った紙に書かれたチーム番号別に分かれて座りまして。先にステージ裏で撮影するので、エキストラはテキトーに時間潰してくれ、とスタッフさんからの通知。あのー…ここ、日陰なんで超寒いんですが……
ステージ裏で大勢がモゾモゾしてる最中「本番でーす!」「本番はいりまーーす!」って声があがりだすと、空気が変わります。いや、マジで。スタッフさんがエキストラに向かって「今から本番です。出来るだけ静かにお願いします。特にお子様」と念を押して本番撮影が行われてました。子供がムズがりだすと物凄い数の視線がそっちに集まってたのが大変印象的。あ、おかあさんが子供のクチ抑えてどっかに走ってった。
寒さに耐えかねて日なたの喫煙所で時間を潰しました。あと、フィルムコミッションが使い捨てカイロとお茶をエキストラに無料配給してくれました。正直助かる。
途中、スタッフの目に止まった子供連れや綺麗めなおねーちゃんがそっちの撮影の方に連れて行かれたり。セットを見て回ってたんだけど、このチームの映画は架空の商標、会社名、商品をでっち上げるの大好きなわけで、今回も細かい所まで予算と手間かけてるなー、というのがよくわかりました。
暫くして、いよいよ大量エキストラ込みの撮影開始の段取りになったみたい。スタッフと機材がぞくぞくと運び込まれてきてます。折りたたみ式レールと手押し式レールカメラ
とか、モニタ装置、照明などなど…
映画の撮影を見るのはこれが始めてなんだけど映画用カメラってHDV
なんですね。よくよく考えたら本広監督はPC雑誌に時たま出て来る程のPCマニアで、自宅に高級車が何台も買えるような映画用ノンリニア編集システム構築してるくらいなんで、デジタル化に全く抵抗が無いんでしょう。たしかに合理的だし、便利だし。ただ、映像から「フィルム撮影の味」が無くなっちゃうけど。(余談だけど日曜朝の戦隊ヒーローがフィルム撮影で、仮面ライダーがデジタル撮影だ。風味の差は見れば分かる)あと、ここではデジタルとアナログの良し悪しについて論じるつもりもないので割愛。
レールカメラの設置が終わるとリハーサル。あ、ユースケ・サンタマリアだ。なんか…ちっこい?あとは小西真奈美らしき人(顔みてもわからん)と…おや、エキストラの中に1人ものすごいイケメンが…スタイリストがついてる…自信がないので横に座ってる見知らぬおばちゃんに確認とってみると、要潤と判明。たしかに地元出身だから適役だろうなぁ。あと、ウチの妹とは高校で同級生だ。
で、これから撮影するシーンの物語背景と、エキストラがやることの説明(拍手だけなんだけど)がスタッフさんから行われる。1回テストして本番にいくらしい。テストが終わって、本番までの間はユースケと要潤がアドリブにも関わらずややウケ気味の漫談で頑張ってくれました。
いよいよ本番。………「はいカットー!」えー!これ、2分も撮ってませんよ?スタッフからすかさず説明。「今、チェックしてますので、オッケーが出るまでそのままでお願いします」あー、デジタル撮影だとこういうメリットあるんかぁ。監督が画のチェックしてる間はまたユースケと要潤の(略)。
結局リテイクらしい。
メイクさん、スタイリストさんが俳優に群がって微調整したのちテイク2。…やっぱり2分も撮ってない。「はい、では(機材の)セッティングを変えてもう1回撮影しまーす。それまではご自由にー」。ドリフの場面転換ばりの勢いで機材が撤収されてる。うお、今度はブームカメラ、でいいのかな、天秤の原理で高いとこまでカメラとカメラマンが揚がるこんなヤツ
、をレールに乗っけるのか。ブームカメラも見るの初めてだったんだけど、あれってカメラの反対側に何十キロもの重りを積んでるのね。この重りも人力で運ぶわけで映画の撮影マジ重労働。
次のカットはさっきの続き。セットを変えずカメラワークの変更。この場面転換だけで30分くらい掛かってるわけで。なのにエキストラの座り位置が少し変わりました。つまり撮影対象外ってことですのう。ちなみに、前もって数名のエキストラには、席を立って帰るフリをしてくれ、とスタッフさんが指示してたみたい。ははーん、これがピント外になるといい感じの背景になるわけだな。お、スタッフさんがブームカメラから被写体である俳優らまでの距離をメジャーで測ってる。
リハーサルして、本番までの間、またまたユー(略)。「はい、本番はいりまーーす」今度はさっきより尺が長いぞ。といっても3分くらい。「ハイ、カットでーす。今チェック中でーす」。
せわしなく動いてるスタッフの中に、本広監督、いました。映画監督ってディレクターチェアに深く座ってメガホン片手にオラオラ言ってるもんだと思ってましたが(偏見)、そうじゃないのね~。撮ってる間は立って見てるし、演技指導も俳優のトコまで寄ってやってる。
結局このカットもテイク2でオッケーが出た。んで、今度はセットを少し変更。別のカットになるみたいだ。あ、僕の真横にカメラが…これ動けないぞ…
こんな感じで撮影が進み、昼の時間帯に収録する今日の分は終わったみたい。けど、ブームカメラはさっきのままだ。スタッフさんがマイクを持って喋る。「えー、では、監督が客席の画が欲しいということですので、次はエキストラの皆さんの撮影を行いまーす」と、ステージにサマータイムマシーンブルースに出てた若手俳優3人組が出てきた。彼らが盛り上げてる間エキストラが座ってる客席側を撮るらしい。編集ってのは便利ですのう。
「はい、撮影はいりまーす。皆さん拍手して盛り上がってくださーい」う、ブームカメラと目があった。思いっきりこっち向いてる…けどカメラに向いちゃダメだしなぁ…早くどっか向いてくれ…僕はこんなの予想してないから小汚い格好なんだよ…ああ、まだこっち向いてる…あ、向こう行った…バカー、帰ってくんなー! という何しに来たのかよくわからん葛藤が5分ばかし続きました。いや、それほど出たいってワケで来たわけじゃないからなぁ…敢えて言うならネタのため。
ただ、僕の居る前の席に空気読めない出たがりで妙齢のお嬢さんらがヨソから走ってきて居座って、ずーっとカメラ目線くれてたので、このカットが使われることは無いだろうなw
「はーい、オッケーでーす。これから昼食になりまーす。その前にー!チーム4、5、6はこれで本日の撮影終了です。お弁当とお茶を貰ってお帰りください。おつかれさまでしたー」
はー…よかった…寒くてたまらんので、正直、そろそろ帰りたかったんです。前もって知らされた予定では19:00終了ということだったけど、もう既に1~2時間押してるしさ。そこまで体力もちません。残ったチームに子連れの人沢山いたけど、アレ大丈夫かな?
たしかにこれから撮影されるシーンも気になるけど、大体カットだけ見ても映画の筋がさっぱりわからん。どこで使われるカットなのか、どういう話になるのか、なんてこれっぽっちも想像できない。だいたいタイトルがUDONだし。
そんなわけでバスに乗せられ、記念品のロゴ入りメモパッドを貰っておしまい。ちなみにお弁当は…これ…単価500円切ってますね…けど1000人分で50万。夕食も用意してるって言ってたし、明日も撮影あるわけだから、二日の撮影でエキストラの飯代に200万近く。湯水のように使われた使い捨てカイロにお茶に…
映画づくりってべらぼうにお金が掛かるんだなぁというのを、この経験を通じてはっきりと理解しました。スタッフの人数なんて数えてないけど、フツーに100人近くは居ただろうし、地元警察、消防…と本当に沢山の人が居ないと出来ないんだなぁ。そりゃ映画コンテンツ製作のファンドがあるわけだし、電通やテレビ局といった大資本が胴元になるのも分かるわ。んで、フィルムコミッションが出来た途端に香川県が映画の舞台になりまくった理由もよくわかった。
撮影中、「渉外部警備課」って明朝体でプリントされた踊る大走査線の頃に作ったと思わしきジャンパーを着てるスタッフとすれ違ったんだけど、フィルムコミッションの有無でスタッフの負担がけた違いなんだろうな…とも。
しっかし、両手で足りるくらいのカットに丸一日かかったのに驚いた。映画はコンテンツ産業で最も高コストなんだなぁと再確認。
今日(4月8日)も朝からロケやるらしーですけど、僕はもうお腹一杯。あと、長文おつかれさまでした。






コメント
全部よんだーーーー
たのしそうだねw
書いた人: 周倉 | 2006年04月14日 23:00
おいっすー!お久しぶり!
いやもうこのエキストラは楽しさ60%、寒さと潮風40%ってとこでしたよ。もし僕が映画に映ってたら、ああ、このシーンか、などと1人納得してくださいw
書いた人: technerd@admin | 2006年04月19日 03:25