ジッジッ(ライターの石を削る音)
紫煙がたちこめる
その日は皆、結構気合入ってたんですよ。姉上の休日だってのは前々から分かってたわけで。久しぶりにオンゲーの中で時間まで指定して待ち合わせして。
僕はというとバイトがあったんだけど、その日に限ってなかなか終わらない。ええ、もうそりゃマッハで帰りましたよ。bBでスキール音鳴らしながら走るなんてなかなかやりませんもの。
で。
えーと、何でしたっけ、世間様ではメカ義元だの、からくりロボだのと言われる析雷。
「それ何て読むんです?」
あー、さくいかづち。ぶっちゃげると、イザナミの陰部。ヒノカグツチを産み落としたショックで死んじゃったっていうアレ。実際は産褥熱か何かだったてよく言われてますよね。昔は子供産むのも一大事だったんでしょうなぁ。
ええと、とりあえず、ソコまでたどり着いたわけですよ。黄泉比良坂のマップって本当に初めてだったんだけど、現地まで最高移動速度で移動してるとF-ZERO以外の何者でもないですね、ありゃあ。ああ、久しぶりに64版のF-ZEROやりたくなってきたなぁ…
「えー、本題に戻りましょう」
んで、戦うじゃないですか。看破がきっついんで、1回目は完敗。次も完敗。
「強かったですか?」
強い。ムチャクチャ強い。僕なんか一撃で逝ってたし。いつからこのゲームはスペランカー
になったんだと。ああ、コーエーはそこまでしてこのクエスト達成者を減らしたいのか、と。姑息なデザインだなぁとも思いました。
結局後続の徒党が撃破しちゃって。析雷がREPOPするまで時間余りまくってるんで、普段使わない引出しを開けてだべりモードですよ。
「野良編成だともっすごい気まずそうですね」
作戦練るたってそんなもん10分もあればお釣り来ますからねぇ。固定や知り合いで来たがる理由が今になって分かったという感じですかね。
で、色々作戦を練って3度目に挑んだわけですよ。作戦の甲斐あって、それなりに順調。したら一名が脱兎しちゃったわけですよ。もうね、再参加できない条件の戦闘で脱兎て何やねんと。客バカにしてんのかと。
「結局六人で戦闘を続けたんですか」
続けるも何も、もうここまでくりゃあ意地だよ。諦めたらそこで試合終了ですよ。
戦闘中、途中から心拍数がみるみる上昇してるのがわかるんですよ。家老昇進試験ぶりくらい。奇跡のようなヘイト管理で、ホント薄氷を踏む思いというのは、このことを言うんだなぁと。こりゃあ旗頭を務める薬師の胆力試しにしちゃあ酷だろー、とか思ってました。もう何度蘇生貰ったか憶えてません。
「結局その接戦はどうなったんですか」
それで、そろそろ2時間、漸く安定したぞーと。奮闘した甲斐あって、悪夢のように強い析雷のお供が全部沈みましたからねぇ。2時間脱兎で決着がつくだろうけど、それもやむなし、みたいな。
安定してくると神職てぇのは暇になりますから、1回も成功しなかった析雷への幻惑の唄を挑戦してたんですよ。何度か頑張ったら、ついに成功して。ひゃっほおおおおおお(enter)ついにねじこんだd とここまでタイプしてたら、なんか自分がげしげし殴られて、死んじゃうじゃないですか。しかたない、蘇生を貰おう、と、お手数おかけs までタイプしたら…!
「(ごくり)」
なんか、キモい動きをするメカ義元が「脱兎」とか抜かしやがるんですよ。なんつうか、唖然?目玉焼き作ろうとフライパンで卵割ったら7:3分けのオッサンが出て来るような。セロのマジックショー
を見てると本当に不思議な気分になるでしょ意味分からんでしょ理解できんでしょ僕もだよ!!!いやまじで!
皆も口を揃えて理解できない、みたいな意味の台詞を文字ウィンドウ一杯にだしてくるわけですよ。
で、幽霊状態で戦闘画面から抜けると、析雷さんが、僕に向かって、先の2戦で負けたときと同じ台詞を吐いてくれるわけですよ。
「…つまり…あなた1人、負けたと…」
そういうことらしいですね。そのあと、念のためフラグの確認したけど先へ進めないし。ああもういいですか。もうね思い出すだけでヘコむんですよ。一応、情報工学の学徒ですから、離散数学
の基礎くらいは知ってますし、シミュレーションプログラムを何回か書いてますから、乱数ってのは割と素直に分布する、というのを実体験として知ってるんですよ。
古き良き擬似乱数生成関数なら偶数の次は必ず奇数が出るよなヘタレなんだけど、お金取ってるプロダクトでそういう乱数生成はないだろう、そりゃ美しい分布図だろうなぁ、と思うのに。なのになんだあのピンポイントな一撃は。2番目くらいの回数死んでるんだぞ僕はあの徒党で。
水曜どうでしょうでミスターがサイコロふったってここまで上手にゃいかないんだぞ糞ッ。なんだこの奇跡。起きないから奇跡なんだぞ。やいコーエー、析雷の中、バイトのGM入ってるだろ、でなきゃNPCAIの思考アルゴリズムのソースコードのレビューさせろ。何万行あっても構わん。メット被ってゲバ棒もって日吉のビルに押しかけるぞ。
ああもうこの話やめやめ、つよーい酒もってこい。火ぃ点く位の。
暗転
けど…ちょっと・・いや…かなりオイシイと思ったのは内緒。手伝ってくれた皆さん、力及ばずでしたがありがとうございました…
そんなわけで、次回、火曜日のリベンジをご期待ください。あと手伝ってくれる人、お願いします…